【ダブルバインド】って聞いたことありますか?
日本語に訳すと「二重拘束」って意味なんですけど、育児においては非常に強い恐怖意識を植え付けるものなんだそうです。
いろいろ調べてみるともしかしたら使っていたことあったかもな…と感じることがあったのでまとめました!
結構無意識にやっちゃいがちになるものらしいので、もしかしたら自分もやっているかも?と問いかけてもらえたら幸いです。
Contents
ダブルバインドとは?
ダブルバインドが子育ての場面で出てくるのは、親が全く異なる命令を子どもに伝えることで二重に拘束している状況を生み出し、
子どもはその矛盾を指摘できず、最終的には親の命令に従わざるを得なくなる状況に追い込む、というものです。
かなり恐ろしいことですけど、親が言うことを聞かない子どもに対して、無意識に行っていることが多いんです。
例えば、遊んでいてなかなか帰ろうとしない子どもに対して、
お父さん「もう帰るよ」
子ども「嫌だー、もっと遊びたい!」
お父さん「じゃあ勝手にしなさい。お父さん先に帰るからね、バイバイ」
上記のようなやり取りがあったとします。
親としてはもう帰る時間だから「もう帰ろう」と声をかけました。
でも子どもが言うことを聞かないので、その前に言ったことと180度違う「勝手にしなさい」と伝えました。
この矛盾した2つの命令が「ダブルバインド=二重拘束」なんです。
ダブルバインドは、アメリカの文化人類学者、グレゴリー・ペイトソンによって発表された説です。
”家庭内コミュニケーションにダブルバインド・パターンが用いられていると、その状況におかれた人が、統合失調症に似た症状を示すようになる”と指摘する説です。
親が子どもをコントロールするために、矛盾する指示を出したからと言って、必ずしも統合失調症を発症するわけではありません。
しかし、少なくとも“ダブルバインド”をされた子どもは、一貫性のない親の指示に「いったい、自分はどうしたらいいの?」と混乱し、心にストレスをため込んでしまうのだそうです。
※統合失調症:幻覚や妄想、興奮などの激しい症状のほかに、意欲の低下や感情の起伏の喪失、引きこもりなど多彩な精神症状を呈する病気)
上記の例では、子どもは一人では帰れないだろうからと思って「勝手にしなさい」「先に帰るよ」と伝えるのですが、
もし子どもが「勝手にしなさい」をそのまま受け取って“勝手にしよう”と遊び続けたら、
きっと親は「勝手にしなさい」と言っておきながらなんでまだ遊ぶんだ…と連れて帰りますよね。人によっては怒ってしまうかもしれません。
こうした矛盾の命令が積み重なることで子どもとしては、
親の一貫性のない指示への混乱、脅しの恐怖、不信感などを感じるようになり、
ストレスがたまってメンタルがやられてしまうということなんです。
ダブルバインドが重なることでの弊害
ダブルバインドをすることで、子どもの心にはストレスが溜まってしまいます。
やがてその子どもも「ダブルバインドするのが普通のことなんだ」と変に学んでしまい、自らダブルバインドする危険があるんです。
親の真似をして友達をダブルバインドする
「相手を自分の思うとおりにコントロールするには親の言うようにすればいいんだ」と学んでしまいます。
そして友達に対しても、例えば使いたいおもちゃがあったとき、
「おもちゃ貸してくれないんだったら、もう一緒に遊ばない」
なんていう子どもが出てくるかもしれません。
将来、親がダブルバインドされる
親の力が強いうちは子どもは従うかもしれませんが、
そのうち子どもの力が強くなってきたり言葉をしっかり話せるようになってくると、そうはいかなくなります。
気持ちをため込んでしまって、思春期以降もしかしたら子どもから暴言や暴力を振るわれたり、脅されるかもしれません。
社会に出てからダブルバインドで人をコントロールしようとする
ダブルバインドのことを知ってから、もしかしたら以前の会社の上司はダブルバインドをしていたのでは…と思ったんですよね。
恐怖支配のコントロール。
例えば、最初請け負ったプロジェクトでやみくもにやっても良くないだろうと指示を仰ぐと、「そんなこと自分で考えろ、ダメな奴だ」と罵声。
それならと独自に進めようとしていると、「俺に黙って進めるな。こんな指示出していないぞ。ダメな奴だ」と怒声。
矛盾することばかりで混乱が続き、萎縮してしまいました。
このやり方がコミュニケーションだと思っていたのかもしれませんが、やられた側としては不信感でいっぱいになります。
ダブルバインドしないためにはシンプルに伝える
ダブルバインドは矛盾している二つの命令なので、何かを伝える際はひとつに留めておいた方が良いのです。
例えば遊びから帰る場合の例だったら、
お父さん「もう帰るよー」
子ども「嫌だー、まだ遊びたい!」
お父さん「そっか、まだ遊びたいんだね」
「でも晩御飯の時間が遅くなっちゃうからさ」
「あと2回滑り台滑ったらおしまいにしよっか?3回にしよっか?」
というように、こちらの言い分の理由を伝え、子どもの言い分をちゃんと聞いて、選択肢を与えるのがスマートなんだそうです。
一つ一つ説明するのは大変ですよね。
でも、ゆっくりとでも、時間をかけてでも、頭ごなしに否定するよりはちゃんと向き合って説明する方が、子どもの心には寄り添っているのかなと思います。
「○○しないんだったらダメ」とか
「■■してくれたらやってもいいよ」とか
上記の言い方はダブルバインドを生み出しやすいようなのでやめた方がよさそうです。
ふりかえると、僕自身はよく「歯磨きしたら遊ぼうか~」と言ってるな…と反省しました。
脅したいからなんて気持ちは全然ないんですが、無意識にも、心の深い部分で傷つかせてしまっていたんだろうなと思って、子どもに対して申し訳なかったなと感じます。
今回の投稿が何か見直すきっかけになれたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!